高齢者の“肉を避ける”は大間違い 脳が喜ぶ食べ物とは?
年齢とともに増える物忘れ。脳の機能低下を防ぐために、食事で気をつけるべきことは? くどうちあき脳神経外科クリニック・工藤千秋院長に聞いた。
「脳が喜ぶ栄養素は、タンパク質と糖質です。高齢になると肉を避ける人が多いですが、それは間違い。脳には動物性タンパク質が必要なのです」
動物性タンパク質には脳内の神経伝達物質セロトニンを効率的に増やす働きがある。肉の脂がコレステロール値を上げることが問題視されているが、コレステロールは体にとって重要な役割も担っている。細胞膜の原料であり、血管を柔軟にする作用もあるのだ。
つまり、コレステロールが不足すると脳の細胞壁が弱くなり、脳の血管も硬く、もろくなってしまう。
「肉は食べ過ぎるから問題なのであって、適量であれば、脳にも体にも良いのです。脂肪の少ない赤身肉を選ぶことをおすすめします」(工藤院長)
一方の糖質は、脳にとってほぼ唯一のエネルギー源だ。単にエネルギーとして使われるだけでなく、神経伝達物質アセチルコリンの生成を助け、記憶力を高める作用があるともいわれている。昨今、糖質制限が流行しているが、制限し過ぎると脳の働きが悪くなることが懸念される。