慢性骨髄性白血病<1>「もっと出世してやると思っていた矢先…」

公開日: 更新日:

 大手医薬品メーカーに勤務し、薬剤師の資格も持つ久田邦博さん(54歳=愛知県名古屋市在)は転勤族である。

 17年前の2001年春、転勤した勤務先から近い神奈川県川崎市内の総合病院で高血圧のため治療した。

 会社では「MR」(医薬品情報担当=医薬品メーカーの営業担当者)に所属し、職務も順調。課長職に昇進したばかりであった。

「38歳でした。よし、もっと出世してやると思っていた矢先でしたね。病院から、会社に『久田さん、すぐ病院に戻ってほしい』と電話連絡があったのです」

 再び病院に行くと、先ほど診察をしてくれた医師が、淡々とした口調で診断結果を告げた。

「白血球の数値が異常です。2万8000(個/マイクロリットル)もありました。血液内科医が常勤している横浜の総合病院を紹介しますから、すぐに絶対受診してくださいね。絶対ですよ」

 薬剤師の資格を持つ久田さんは、白血球が2万8000という数値が何を物語るのかは想像できる。ある病名が頭の中をかすめた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭