CDよりライブが感動するのは皮膚が“音を聞いている”から

公開日: 更新日:

 好きなミュージシャンのコンサートはCDで聞くより、ライブで直に聞く方が何倍も感動するという人は多いだろう。それは、人は“音”を耳だけで感じ取っているわけではないから。桜美林大学リベラルアーツ学群の山口創教授(人間科学)が言う。

「人は空気の振動を音として耳でとらえますが、人が耳から聞くことのできる空気振動の周波数(可聴域)は20ヘルツから20キロヘルツくらいまで。それより高い音を『超音波』、低い音を『超低周波音』と呼び、耳で聞くことのできない可聴域外の周波数を人は皮膚で知覚しているのです」

 花火や和太鼓の音を聞いたとき、「腹に響く」ように感じるのもそのひとつ。耳がほとんど聞こえない高度難聴者が、耳たぶの後ろにある側頭骨の突起部に超音波を当てて、骨伝導で聞くことができるのも、そもそも皮膚が振動するからだ。最近では、可聴域より高い超音波が実際に聞こえている音を、より心地よく感じさせる働きがあることが分かってきているという。

「ところがCDやDVD、インターネット配信などのデジタルサウンドは、超音波がカットされているので物足りなさを感じるのです。昔のレコードなどのアナログサウンドには超音波が入っていて、音がマイルドで臨場感がありました。いまだレコードのファンが多いのはそのためです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」