中高生の1割が自傷経験…専門医に“親のNG行為”を聞いた
自傷がやめられないと告白されたら、それを口にできたことを肯定的に評価する。「YOU」を主語にして何かを言うと、相手は支配されているように感じるため、「私はこう思う」と伝える。
自傷を「人の気を引く行為」と考えている人がいるが、大きな間違いだ。自傷は「生きるための行為」。「本気で死にたいと思って相談しなかった=73・9%」「自殺未遂をしたときに相談しなかった=51・1%」(日本財団自殺意識調査2016)といった結果にあるように、ひそかに行われている。
■「命を大切に」と説くのは逆効果
自傷をする子供の共通点は「つらい時に助けを求められない。人を信用できない」。どうしようもなくつらいことがあった時、それを誰にも言えないから、つらい気持ちを意識の中で“切り離す”ために自傷を行う。自傷はリストカットがよく知られるが、「火のついたたばこを皮膚に押し当てる」「頭を壁に強く打ちつける」なども含まれる。
「自傷でストレス対処を繰り返していると、だんだん慣れが生じてきてストレスに脆弱になります。以前は自傷しなくても耐えられたことにも、自傷せざるを得なくなるのです」