中高生の1割が自傷経験…専門医に“親のNG行為”を聞いた
リストカットなどの自傷ではつらい気持ちを切り離すことができなくなり、つらい気持ちから解放される次の行動として、睡眠薬などの薬を過量に服用するようになる人もいる。過量服用では命が助かるケースがほとんどだが、目が覚めた時「自傷では対処できなくなっていたストレスが、昏睡状態で楽になった」と知り、“生きるため”に過量服薬を行うようになる可能性がある。
「自傷を否定せず、受け入れ、歩み寄り、自傷の背景にある『人への不信感』を取り除く。自傷を安心して話せる場をつくるのが、親としてまずできることです」
自傷や自殺がいけないと説くのは、子供の孤独を深める結果になる。ただし、親だけですべてを抱え込もうとすると破綻がくる。子供の自傷について話せる人を周囲につくると同時に、地域の保健センター・保健所、精神保健福祉センター、子供家庭支援センターなどに相談を。自傷は必ずしも医療的な治療が必要ではないが、死のリスクが高まっていると感じたら精神科を受診すべきだ。