坂口憲二さん難病に 股関節が痛んだらチェックすべきこと
変形性股関節症は、最初は関節が変形しているだけだが、進行すると臼蓋(大腿骨頭がはまりこむ骨盤の部分)が変性して関節の隙間が狭くなり、臼蓋縁が硬くなる。さらに、関節の周囲に「骨棘」というトゲのような異常な骨組織ができる。やがて大腿骨頭も変形してくる。
「特発性大腿骨頭壊死症と異なり、変形性股関節症の進行は通常ゆっくりです。最初は立ち上がりや歩き始めに痛みを感じる。次第に爪切り、正座、和式トイレの使用などが困難になり、長時間の歩行や立ちっぱなしが難しくなる。これらの症状が加齢とともに目立つようになってきます」(古閑副院長)
診断はエックス線検査で行う。変形性股関節症と分かればまず体重コントロールや杖を使った歩行時の負荷軽減、炎症を抑える消炎剤を投与。歩行障害が起こっている場合は手術が検討される。
「変形性股関節症は高齢者に多いため、患者さんの生活状態によって治療が異なります。アクティビティーが落ちていて、あまり歩いたりせず痛みを感じる機会がそれほど多くないようなら、筋力強化(股関節外転筋)や薬で様子を見ます」(古閑副院長)