ストレスによる唾液の変化で歯の黄ばみやくすみに拍車が
新しい人間関係を築こうと笑顔を連発しても、汚い歯がのぞくようでは台無しだ。実は歯の汚れもストレスに関係する。
自由診療歯科医師で八重洲歯科クリニック(東京・京橋)の木村陽介院長が言う。
「歯は内側に黄色みを帯びた『象牙質』があり、その上を白く半透明な『エナメル質』が覆っています。若い人の歯が白く明るく見えるのは、エナメル質が小さな隙間が多数ある燐灰石でできていて、そこで光が散乱するからです」
ところが、年を取ると燐灰石の隙間が埋まり、光がエナメル質を通過。その奥にある黄色の象牙質の色が透けて見える。しかもエナメル質自体が薄くなり、紫外線の影響で象牙質のコラーゲンが変質してくすみが強くなる。これが年寄り特有の歯の黄ばみの正体だ。
「これに拍車をかけるのがステイン(着色汚れ)です。その原因は、歯の表面に飲食物やたばこなどに含まれる色素が付着すること。色素がつくと歯のツヤが失われ、歯がくすんで見えるのです」
着色汚れは歯の表面に飲食物に含まれるタンニンなどのポリフェノールや、たばこのヤニなどが付着。唾液中のリン酸やカルシウムなどが結びついて歯に固着し、取り除きにくくなる。