著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

女性ホルモンを調整する薬はさまざまな病気に関係する

公開日: 更新日:

 今回は女性に特有の薬に関する副作用を紹介します。男性と女性の性差を生み出している要素としては、染色体だけでなく「性ホルモン」も挙げられます。性ホルモンは年齢(加齢)によって分泌量やバランスが変化し、さまざまな病気に関係しています。そのため、性ホルモンを調整する作用がある薬は、さまざまな病気の治療薬として効果を発揮するわけです。

 生理周期がある女性は、男性に比べて性ホルモンの変化がダイナミックです。1カ月の間でも大きく変動しますし、閉経を迎えると極めて大きな変化となります。たとえば、閉経後に女性ホルモンの分泌が少なくなると骨粗鬆症が起こりやすくなり、逆に女性ホルモンによって乳がんなどでがん細胞の増殖が促進されることもあります。

 これは、治療のために薬でホルモンを調整した際も同じことが言えます。乳がんや子宮内膜症のホルモン療法剤では、女性ホルモンのエストロゲンを抑えることによって骨がもろくなるため、転倒や骨折に要注意です。逆に更年期障害の治療薬で女性ホルモンを補った場合は、乳がんなどのがん細胞の増殖を促すことになってしまいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇