体のあちこちにカビが…「爪の水虫」放置はこんなに危険
「足水虫であれば、市販の塗り薬でも正しく塗れば完治します。一方、爪水虫はごく軽症を除き、塗り薬では治りません。飲み薬の治療が必要です」
爪水虫の治療薬は、飲み薬が3種類(1997年、99年、2018年発売)と塗り薬2種類(2014年、16年発売)がある。自分の爪水虫には飲み薬か、塗り薬か……。この判断が非常に重要なのだが、これまでは、塗り薬が適さない爪水虫にも、塗り薬を使われているケースがかなりあった。
「14年に爪水虫にも有効な塗り薬が登場し、『塗ったら治る』という過大評価で、どの爪水虫にも塗り薬が出されるようになった。『爪水虫で一生懸命塗っているけど治らない』という患者さんが増えたのです」
その背景には、医師が副作用を過剰に心配して、積極的に飲み薬の治療を行おうとしてこなかったという事情がある。
「しかし医師の管理のもとに処方すれば、たとえ高齢者でも、たいていの人は飲み薬でも副作用の心配がないことが分かっています。感染症である水虫は完治させないと意味がない。感染拡大・再発を防ぐために、正しい治療が必要」
塗り薬で完治可能なのは、爪の先端だけが濁っている初期の軽症例、または爪の表面だけが濁っている特殊なタイプ。それ以外の大部分は飲み薬になる。
あなたの爪水虫が、家族中の水虫の「元」になっているかもしれない。