ベテラン皮膚科医もお手上げ? 水虫は見た目で分からない
「爪白癬の飲み薬は副作用が懸念されていましたが、肝機能が低下している人も軽度の異常であれば飲み薬が可能。これまでは、塗り薬では効かない爪白癬の患者にも塗り薬が処方されてきた。塗り薬か飲み薬か適切に薬を選ぶことが重要です」
■診断には顕微鏡が必須
ところで、爪白癬を含む水虫は、皮膚科専門医であっても「見た目」だけでは診断が難しいということをご存じか?
常深医師は、爪白癬のほか、さまざまな爪の病気の写真100枚以上を皮膚科専門医に見てもらい、爪白癬かどうかをイエスかノーで答えてもらった。皮膚科専門医には、新米から30年以上の大ベテランまでいた。
「2択なので適当に答えても50点はいくテストで、70点ほどしかいかなかった。30年以上の大ベテランでも65%ほどの正解率でした。つまり、長年の治療経験があっても、見た目だけで診断するのは難しい。皮膚科専門医でそうですから、専門外の先生ではもっとそうですし、一般の人はなおさら」
常深医師のもとに「水虫です」と言って来る患者の3分の1は、水虫以外の病気だという。水虫ではないのに水虫の薬を塗ったら、かぶれてひどいことになることも。
「顕微鏡で白癬菌の菌糸を確認することは不可欠。水虫の治療を受けているけど治らないという人の検査をしたら、水虫でなかったというケースはよくあります」
今年こそ水虫とおさらばしよう。