ベテラン皮膚科医もお手上げ? 水虫は見た目で分からない
水虫の季節。水虫を何度も繰り返している人は、今年こそ気合を入れて治療に取り組んではどうか? 埼玉医科大学皮膚科教授の常深祐一郎医師に話を聞いた。
■なかなか治らないのは誤診も一因
水虫がなかなか治らない理由は、ひとつは薬をきちんと塗れていないこと。足の指の間や足裏の水虫は市販薬でも十分に治すことができる。
しかし、それは患部全体に正しく塗ることが大前提だ。たいていの人は、皮がむけている部分、ジュクジュクしている部分、かゆい部分だけに塗るが、それでは塗る範囲が狭い。
「感染症である水虫は、ある程度良くなればいいというものではない。白癬菌が残っていれば、再発します」
もうひとつの理由は、爪にできる水虫、爪白癬を見逃していることだ。足の水虫は有名である上、分かりやすい症状があるので治療に結びつきやすいが、爪白癬は爪が白く濁るという症状なので放置されがち。「年のせい」「昔のケガのあと」だと思っている人もいる。
「爪白癬は初期であれば爪白癬用の塗り薬でも治療できますが、多くは飲み薬でないと完治しない。しかし、飲み薬の治療を受けていない人が珍しくありません」