著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

必要なのは「記銘→再認→再生」を繰り返すトレーニング

公開日: 更新日:

 たしかに若いころの記銘力は望むべくもないが、記銘力が完全に失われるわけではないのだ。工夫次第で一定のレベルを維持することは不可能ではない。そのために子どもがまず忘れてならないのが「反復」だ。「言ってもムダ」とあきらめるのではなく、子どもは根気よく同じ情報を親に発してあげることだ。なぜなら、記銘力は「記銘↓再認↓再生」というサイクルを反復することで、改善する可能性が少なからずあるのだ。子どもの立場で言えば「Aだよ」と親に記銘させ、一定時間が経過した後「Aと言ったよね」と再認、さらに時間経過をおいて「なんて言ったかな?」と「Aでしょ」という再生を促す。こういうコミュニケーションを繰り返すことで新しい情報の記銘力低下を防げる。

 さらに、これを親がトレーニングとして自分でやるように子どもは促してあげることだ。記銘力低下の程度、覚えておいてほしい情報の量や質によって方法は異なるが、何度も問いかけたり、メモを渡したりして、再生を促すトレーニングを行ってみることだ。それでも効果は限界的かもしれないから、できるだけ親にメモをとらせるのもひとつの方法だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動