メーカーによって違う 漢方薬を「番号」で覚える落とし穴
前回まで、漢方には人それぞれ、体質や症状に応じて合う・合わないがあるというお話をしました。それを見極めるために「虚・実」や「気・血・水」といった尺度があることも紹介しましたが、それでも自分に適切な漢方を選ぶのは難しいのが現実です。
そんなときの対処法は、薬剤師に相談することです。漢方は専門の薬局もありますので、薬局で相談するのがおすすめです。そんな当たり前なことを言われても……と思われたかもしれませんが、それが最も合理的な方法なのです。
ただし、相談の仕方に注意してください。漢方薬は名称が難しいので、ついつい「番号」で覚えがちです。過去に見つけた自分に合う漢方を番号で覚えていたとしても、番号を伝えるだけでは情報が不十分。薬局で「○番をください」というのは危険です。なぜなら、漢方メーカーは何社もあり、各メーカーで番号は統一されていません。ですので、薬局で漢方の番号を伝えても目的の漢方とは違うものが出てくる可能性があるのです。
たとえば、最も有名な漢方のひとつ「葛根湯」は「1番」が一般的ですが、東洋薬行では「13番」ですし、三和生薬では「17番」です。番号での識別はあくまで同じメーカー内でしか通用しないと考えておくのが無難です。