体に余計なことをしない方が奇麗に旅立てることを教わった
「長く持って、余命はあと3年ぐらいでしょうか」
末期がんの患者が医師に、こう告知される。がんに限らず大手術になると、つい死の不安に襲われてしまう。
毎晩、枕を濡らしながら、術後の延命治療に期待することになる。
「自分の人生を美しく仕上げるには、もう一歩前に進んでほしいと思います。延命治療を頭から否定はしません。でも例えば、人工呼吸器を使いますと、声が出せなくなります。もし臨終の最期まで自分の声を出し続けたいと望むなら、拒否する治療も選択のひとつではないでしょうか」
長年、外科の看護師を務めながら僧侶の道も選んだ玉置妙憂さんはこう語る。
玉置さんは、看護師の業務を主に在宅ケアに移し、早晩、死を迎えようとしている多くの人々に寄り添い、またはみとってきた。
そうした臨終と背中合わせにある人に5つの望ましい死にざまについて話をするという。
①体中に一本のチューブもつけずに最期まで過ごしたい