走れなくなって…Jリーガー畑尾大翔語る慢性肺血栓塞栓症
松原先生が処方してくれた薬はワーファリンとは違い、12時間で薬効が切れる血液サラサラの薬です。僕の病気では脱水状態や長時間同じ体勢でいることがNGなので、就寝時には薬が必須です。ただ、日中、脱水にならないことや同じ姿勢でいないように気を付けていれば現状問題なく、飲まなければ普通の人と同じように血が止まるのでプレーもできるというわけです。
とはいえ、結果的に1年半サッカーから離れてしまったので、コンディションを取り戻すのは大変でした。大学卒業後、ヴァンフォーレ甲府の練習に参加したものの、ついていけずに挫折しかけました。「一緒に頑張ろう」と言ってくれるチームメートがいなかったら危なかったですね。
早大の先輩が、あるスポーツ番組で僕の密着特集を組んでくれたことが反響を呼んで、いろんな人がSNSを通じて励ましてくれたのも支えになりました。
やっと自分らしいプレーが戻ってきたのは2017年の後半です。手術から約4年かかりました。取り戻すにはブランクの3倍かかるというのは本当です(笑い)。