「精索静脈瘤」とは“冷却装置”の故障で精子が劣化する病気
■根治には手術が必要
自覚症状は座位での陰嚢の鈍痛や違和感など。ただし、精索静脈瘤自体は一般男性の約15%に認められるとされています。
男性不妊患者に絞ると全体の40%以上に見受けられ、後天的に徐々に進行するので2人目不妊の78%は精索静脈瘤が原因とされています。
精索静脈瘤は、静脈の構造上90%以上は左側の陰嚢に発症します。それを疑うには、陰嚢に表れるいくつかのポイントがあります。発症した側の陰嚢に常に温かい血液がとどまっているので、それを冷やそうとして陰嚢が常に垂れ下がっている状態になるのです。
それから、陰嚢の大きさに左右差があると、大きい方の陰嚢に精索静脈瘤がある可能性があります。
陰嚢を触ってみると、精巣のそばにグニュグニュとしたうどんのようなコブに触れることができます。また、精巣の大きさにも左右差が出てきます。精索静脈瘤ができると陰嚢は大きくなりますが、精巣は小さくなります。ただし、精巣が急に大きくなった場合は、精巣水瘤や精巣腫瘍の可能性も考えられるので要注意です。
いずれにしても男性不妊の原因と診断されれば治療の対象となります。精子の質を良くするには、サプリメントや漢方が使われます。根治するには手術(術式で保険適用あり)が行われます。