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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

BOROが手術に踏み切る腎臓がん 腹部エコー検査で早期発見

公開日: 更新日:

 腹部エコー検査はお腹の周りにゼリーを塗り、超音波を照射して臓器を調べる検査。たとえばすい臓などは胃や十二指腸に囲まれていて見えにくいのですが、腎臓は見やすい位置にあるほか、腹部エコー検査で必ずチェックされる臓器で、早期に発見されやすい。

 ラッキーなのは、BOROさんのように経過観察しながら、手術など治療のタイミングを計るのが可能なこと。これを監視療法といいます。監視療法は前立腺がんや甲状腺がんでよく知られますが、腎臓がんでも一般的なのです。

 エコー検査のほか、CT検査やMRI検査などを定期的に受けながら腎臓がんの状態をチェックします。がんが十分小さい人だけでなく、高齢やほかの病気の状況などで手術のリスクが高い人も選択肢のひとつです。

 がん治療で名高い米メイヨークリニックの報告では、発見時の腫瘍サイズが2センチ以下の場合、発見時に転移があった割合も、術後3年後に転移が見つかった割合もゼロ。腫瘍サイズが大きくなるにつれて、発見時に転移がある割合も、術後3年後に転移が見つかる割合も高くなります。7センチ以上だと、それぞれ16・5%、43・7%です。

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