死亡事故につながる熱中症は冬でも起こる…長風呂にリスク
41度の風呂に15分間入浴すると、約800ミリリットルの水分が失われる。体が脱水状態になるとさらに深部体温が上昇しやすくなり、熱中症が重症化する。
慶応大の研究によると、体温37度前後の健康な人が42度で全身浴した場合、30分足らずで体温が40度に到達することが報告されている。
寒い冬は、夏よりも熱い湯にじっくり長い時間つかるという人も多い。しかも、気温の低い外気が入ってこないように窓を閉め、換気も不十分になりがちだ。その結果、体温だけでなく脳温度も上昇し、体温制御機能が低下することで熱中症をさらに招きやすくなる。
「とりわけ注意すべきは高齢者です。高齢になると自律神経の働きが衰えて体温の調節機能が落ちます。さらに、高齢者はお湯の熱さや『のぼせた』という感覚も感じにくい。のぼせたなと感じる前の段階で風呂から上がれば熱中症は避けられますが、自覚しないまま長風呂をして熱中症で倒れていたというケースが増えるのです。また、女性は冷え性の緩和やダイエット目的で長湯する人が多い。さらに、最近はスマートフォンをいじりながら長風呂をする若年層が増えていて気付かないうちに長時間、熱い湯につかってしまい、熱中症を起こすケースが頻発しています」(梶本氏)