新型コロナ感染症の後遺症 脳にダメージを受ける可能性は?
新型コロナウイルス感染症の後遺症として倦怠感、頭痛、息切れ、体の痛み、持続性の咳などが知られています。これらの症状は「ロング・コビット」とも呼ばれ、最近では脳卒中や精神状態の変化、さらには認知機能への影響も懸念されています。
そんな中、新型コロナウイルス感染症と記憶障害の関連性を検討した研究論文が、米国医師会誌が発行しているオープンアクセスジャーナルの2021年7月号に掲載されました。
研究では、ノルウェーに在住しており、2020年2月1日から4月15日の間に新型コロナウイルスの検査を受けた5万3168人、そして検査を受けていない人(新型コロナウイルス感染症の症状を経験していない人)の中からランダムに選んだ2万人にアンケート調査を実施しています。なお、新型コロナウイルス感染症で入院した人はこの調査から除外されました。
アンケートに回答したのは1万3001人(平均47歳、女性66%)で、その後8カ月にわたる追跡調査を完了したのは9705人。感染から8カ月の間に記憶障害を訴えたのは、新型コロナウイルスの検査を受けていない人で2%(80人/3342人)、検査で陰性だった人で4%(254人/5712人)でした。