寒くなるからこそ「換気」の意味を考える アイスホッケー会場の教訓

公開日: 更新日:

「感染対策ではCO2濃度に関係なく、空気の流れをつくり、ウイルスを含んだエアロゾルを拡散し、吸い込むウイルス量を減らしつつ、ウイルスを屋外に排気する必要があります。そうでなければウイルスは屋内にとどまる一方です」

 今年1月に北海道・釧路市内で行われたアイスホッケーの試合で起きた大規模クラスターは、その後の調査で、氷の管理のために氷上付近の気流を最小限にするようつくられていて、リンク内やその周辺に気流が停滞。選手ベンチの後方に気流が流れていた。そのため、激しい運動で呼吸量が増えた選手などを感染源にして飛沫や接触、エアロゾルにより最終的に172人に感染が広がったと報告されている。むろん、会場には換気装置があったが感染予防にはならなかった。

「つまり、多くの人に『換気』に対しての誤解があるということです。『ウチは24時間換気だから』『今いる施設は機械換気しているから』特別な対策をとらなくても大丈夫というのは間違いです。換気していても釧路のアイスホッケー場のようにエアロゾルが滞留する場所と流れる場所は混在しています。人数とは関係なく人がいる場所では常に空気が移動、拡散するように配慮することが大切です。そもそもCO2に比べてエアロゾルは重く滞留しやすいことを忘れてはいけません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動