中川恵一
著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

タレント休井美郷さんは子宮頚がんの前段階…原因となるHPVはセックスで男性にも感染する

公開日: 更新日:

 尖圭コンジローマは陰茎のイボが症状の一つですから、女性がそんな男性と肌を重ねると、当然感染リスクが高い。ではコンドームをしていれば大丈夫かというと、膣や陰茎への感染リスクは減りますが、完全にゼロにはできません。最近は、オーラルセックスが定着しており、中咽頭がんの急増は、その影響と考えられます。

 休井さんは女性専用の人間ドックで診断を受けたそうですが、子宮頚がん検診は6年ぶりだったとか。そのサボリが冒頭のショックにつながるため、「死ぬリスクを背負うか、(子宮頚がん検診の)時間を割くか」と早期発見のための検診受診を涙ながらにPRしています。

 子宮頚がん対策の一つが、まさに休井さんが重要性を訴える検診で、もう一つがHPVワクチンの接種です。この接種が男女そろって進めば、子宮頚がんは撲滅できますし、実際、女性の接種率が6~8割の米英などは感染者数が激減。根絶は時間の問題です。

 日本でそのカギとなるのが、停滞していた女性の接種の底上げと、男性の接種でしょう。千葉のいすみ市ではすでに市内の小6~高1の男子生徒への接種費の助成をスタート。今年8月には、同じ対象で東京・中野区も接種を始めると報じられています。

 前述の通りセックスが感染ルートですから、男女とも初体験の前に接種することがとても重要。それが広がると、女性の子宮頚がんだけでなく、男性は陰茎がんや肛門がん、ひいては中咽頭がんの予防になるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題