糖尿病が“治る”条件…4.8万人のデータから100人に1人は寛解、早期診断により頻度が増加
「寛解しやすい人の特徴として、年齢、糖尿病罹患期間、HbA1c、BMI、1年間の体重変化、治療の6つの指標を調べています。年齢の影響はそれほど高くはなく、寛解は、『糖尿病の診断から1年未満、HbA1c7%未満、BMI値が高値、1年間の減量幅5%以上、観察開始時に薬物治療なし』との関連が強いことが分かりました。つまり、診断されて間もない、さほど重症でない、比較的肥満度の高い糖尿病の方が、専門医への通院を開始し、体重を減らすことができると、寛解の割合が高いということになります」
たしかに、糖尿病罹患期間1年未満、HbA1c7%未満、1年間の減量幅5%以上の人は、1000人を1年間追跡すると、それぞれ18.5人、27.8人、25.0人と寛解している人が多い。
「今回の研究は特定の患者さんを追跡調査したものではなく、4.8万人のビッグデータ解析であり、集団の平均の結果を示したものです。これに当てはまる人もいれば当てはまらない人もいます。あくまでも寛解しやすい傾向を示したものであると、ご理解ください。また減量の幅が大きいと寛解が多い結果が得られましたが、肥満度が低い高齢者などの場合は筋力の低下によるフレイルにつがなる恐れもあるため、寛解を目的とした過度な減量には注意してほしい」