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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

堀ちえみさんは実践 “一がん息災”…実は「無病」より長生きできる可能性も

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 舌がんを含む口腔がんや咽頭がんでは、食道にもがんができやすく、ガイドラインでもこれらのがんの人には、内視鏡で食道をチェックすることが推奨されています。堀さんが、定期的に内視鏡検査を受けているのはそのためでしょうし、それによって食道がんはステージ0の早期で発見できたのでしょう。

 実は、どこかにがんができて、次にできるがんは早期に発見される傾向があります。診断直後は3~6カ月くらいの間隔で経過観察が行われるためで、それをきちんと受けていれば、2つ目以降のがんは早期に発見されやすいのです。

 昔から病気にかかることなく健康に生活できることが無病息災で理想とされます。しかし、まったく病気がないと、定期的に検査を受けようとする動機づけがなく、かえって見つかったときには進行がんや重い病気であることが決して少なくありません。

“一がん息災”は、がんがあってもそれと折り合いながら生活し、検査を受けていれば、次のがんやほかの病気は早期に発見でき、生命に影響を与えることなく元気に生活できます。それによって長生きできるという考え方です。

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