嫌な記憶を「新しい記憶」で塗り替えよう…行動が重要になる
人間の記憶には、いくつかの種類があり、主に「宣言的記憶」と「非宣言的記憶」に分かれるといわれています。
前者は、言葉にできる記憶のことを言い、意識的に思い出すことができる記憶のことを指します。たとえば、「今年の年末年始はハワイに行った」「昨日は友人とピザを食べた」といったエピソード(経験)や、「日本の首都は東京」といった一般的な事実などが該当します。
対して後者は、言葉にすることが難しい記憶のこと……意識的に思い出すことが難しい記憶のことを言います。たとえば、自転車の乗り方を思い返してください。自転車に乗るとき、皆さんはいちいち記憶をたどって、自転車の操縦を行うでしょうか? 無意識に動かしていますよね。こうした言葉にしなくても記憶として定着しているもの──技能や習慣などの記憶が非宣言的記憶とされています。
いわゆる「トラウマ」と呼ばれるものの中で、思い出したくない記憶や、嫌悪反応に関わる記憶は、この非宣言的記憶によるものです。意識していないのに記憶がよみがえってしまうわけですから、とても厄介ですよね。