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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

肝障害のある人に「ウコン」は危険? 死亡事例の報告も

公開日: 更新日:

 みなさんは「ウコン」というとどのようなイメージを持つでしょうか? ウコンの入ったドリンク剤は、二日酔いに効くと宣伝されていますから、肝臓に良い成分、というようなイメージを持つ方が多いかもしれません。それは事実でしょうか?

 ウコンはターメリックとも呼ばれる生姜の仲間の多年草で、その根が香辛料としてカレーなどに広く使用されています。古くから薬としても使用されていて、特に関節炎などの炎症を抑える作用については、科学的にも研究され証明されているのです。このように、健康に良いイメージのあるウコンですが、ひとつ心配な情報があります。それがウコンによる急性の肝障害の事例です。

 2005年に発表された日本のサプリメントや健康食品による薬剤性肝障害の調査では、最も多かったのがウコンで、全体の24.9%という高率でした。

 海外でも報告は多く、2023年のアメリカの内科専門誌に掲載された論文では、関節炎などのサプリメントとして使用されたウコンで急性の肝障害を起こし、死亡した事例も報告されています。

 その原因は完全に解明されているわけではありませんが、アレルギーの炎症が関与しているという報告があります。特に肝障害のある人では注意が必要です。

 食事の香辛料としては安全性に問題のないウコンですが、肝臓の悪い人がサプリメントとして使用することは、慎重に考えた方が良さそうです。

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