「声が出ない」のは致命的…声優・水島裕さん声帯ポリープ手術を振り返る

公開日: 更新日:

水島裕さん(声優/68歳)=声帯ポリープ

「声優になりたい」と相談されることがありますけど、基本「やめた方がいいですよ」と伝えます。なぜかというと、努力が100%認められるわけじゃないからです。僕が思うに、運が60%、健康が30%、努力や才能は10%くらいかな?(笑)。それだけ出会いや巡り合わせは大事だと思います。僕は運が良かったんですよ。そして健康に恵まれました。両親のおかげで病気知らずでしたから。2020年春、64歳で声帯ポリープの切除手術をするまでは……。

 この年の4月中旬にかすれ声がなかなか治らず、「あれ?」と思ったんです。いつもなら舞台やコンサートで激しく喉を使っても2~3日寝れば回復していたんですけど、そのときは悪化するばかり……。声帯が閉じず「アー」が「ハー」になってしまうような息が抜ける状態でした。

 それで、いつもお世話になっている山王病院を受診しました。そこには耳鼻咽喉科のほかにボイスセンターがあって、渡邊雄介先生という僕がものすごく信頼している先生がいらっしゃるんです。

 先生に声帯の写真を撮ってもらうと、声帯の左側が少し出血していて、さらに白くポチッと盛り上がったイボのようなものがあり、ピタッと閉まらない状態でした。「これは明らかな声帯ポリープです。手術すれば1週間ぐらいで治りますよ」とのことでした。

 でも当時、TBSのお昼の情報番組で月曜から金曜まで毎日ナレーションをしていたので、それが気がかりでした。結局、事務所と番組サイドの話し合いで「来週はピンチヒッターを立てましょう」ということになり、お休みさせていただきました。番組に関わってからの16年間で初めてのことです。

「声が出ない」って、僕らにとって致命的なんですよ。まったく出ないわけではありませんでしたが、「声でこんな表現をしたい」と思ってるのに、コントロールできない。それがとてもつらいんです。だから、手術しない選択肢はありませんでした。

 人生初の手術でしたし、声帯にメスを入れることへの不安は若干ありました。でも、信頼している渡邊先生から「大丈夫。任せてください」と言っていただいたので、迷いはありませんでした。

 たとえば習い事でも、ものを教わるときは「何を教わるか」も大事だけど、「誰に教わるか」も大事じゃないですか。きっと手術も同じで、僕は良い先生に出会えたので安心して身を委ねることができました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主