著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

赤ちゃんが泣いていると粉ミルクを量り間違えてしまう?

公開日: 更新日:

 粉ミルクは、赤ちゃんが成長するために必要な栄養素を十分に含んでおり、母乳に代わる栄養源として優れています。

 粉ミルクを適切な量のお湯で溶かす作業を「調乳」と呼びます。調乳を行う際は粉ミルクの分量を適切に量らないと栄養の過不足が生じてしまいます。

 調乳の作業を慌てて行うと粉ミルクやお湯の計量を間違ってしまうこともあるでしょう。赤ちゃんが泣いている状況と、調乳作業の正確さの関連性を検討した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセス誌に2024年12月4日付で掲載されました。

 米国で行われたこの研究では、赤ちゃんの世話をしている84人(平均31.1歳)が対象となりました。被験者は、泣いている赤ちゃんがいる状況を再現した場所で調乳を行う群と、泣いている赤ちゃんがいない場所で調乳を行う群にランダムに振り分けられ、粉ミルクやお湯の計量誤差(標準的な使用量からの誤差)が比較されました。

 なお、赤ちゃんが泣いている状況は、赤ちゃんと同サイズの人形を用意し、泣き声の録音音声を流すことで再現されました。

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