著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

子供の感染症予防…カギを握るのは父親の学歴? 研究論文が日本疫学会誌に掲載

公開日: 更新日:

 子供の健やかな成長には、栄養バランスの優れた食事や適切な運動、十分な睡眠、安全な生活環境、そして予防医療(健康診断やワクチン接種など)の活用が欠かせません。とりわけ感染症の予防においては、ワクチンの接種が最も効果的です。

 ただし、このような子供の生活環境は、主に親の意識と行動によって形作られます。

 一般に、教育水準の高い人ほど健康的である傾向が知られており、親の学歴もまた、子供の健康状態に影響する可能性があります。

 そのような中、親の教育水準と子供の感染症の関連性を検討した研究論文が、日本疫学会誌の電子版に2024年9月7日付で掲載されました。

 日本で行われたこの研究では、3歳までの子供8万930人と、その親が分析対象になりました。親の学歴は、中学校卒業、高校卒業、短期大学/専門学校卒業、大学卒業以上の4つのカテゴリーに分類され、子供が2~3歳の時点で発症した、ワクチンの接種で予防可能な感染症(水痘、おたふく風邪インフルエンザ、麻疹、風疹、百日ぜき)との関連性を解析しています。

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