「緑内障」と「自動車運転」の危険な関係…日本の研究報告
眼球の丸い形を維持するためには、内部から圧力をかける必要があり、この圧力を「眼圧」と呼びます。眼球内は液体で満たされており、この液体が一定の圧力を保つことで眼圧が安定します。眼圧が高くなると、目の神経が障害され、やがて視野(見える範囲)が欠けてしまうこともあります。このような視野の障害を「緑内障」と呼びます。
緑内障は、視力の低下というよりは、視野が欠けていく病気です。早期の緑内障では、自覚症状に乏しく、視野の欠損に気付いていない人も少なくありません。そのため、自分が緑内障だとは知らずに自動車を運転している人も、少なからず存在する可能性があります。むろん、緑内障は交通事故の発生リスクを高める危険因子だと考えられます。
そのような中、緑内障患者に対して自動車運転中の自覚症状を調査した研究論文が、「サイエンティフィック・リポーツ」誌に2025年1月2日付で掲載されました。この研究では、緑内障を患う日本人227人(平均63.2歳)が対象となりました。
自動車運転シミュレーターを用いて、運転中における緑内障の自覚症状(運転に対する恐怖感や前方の見えにくさなど)や衝突事故の回数などが調査され、統計的に解析されています。