糖尿病患者の運転時の低血糖リスクは持続血糖測定器で軽減する
交感神経症状の段階で低血糖を疑うことができれば、血糖値を測定し、ブドウ糖摂取といった血糖を上昇させるための対策を取れる。しかし無自覚性低血糖は「無自覚」なので対策を講じられず、昏睡など意識のない危険な状態(重症低血糖)に陥る恐れがある。
「もし運転中に低血糖を起こせば、交通事故のリスクが高まり、本人にとどまらず多くの人を巻き込む可能性があります。そのため以前から糖尿病患者さんの安全運転のためにCGMを使えないかと考えていました」(有馬教授)
■意識低下の前にアラートで注意喚起
研究に参加したのは、名古屋大学医学部付属病院でインスリン治療を受けている週3回以上運転する糖尿病患者30人(研究を最後まで完了したのは27人)。研究の評価を正確に行うため2群(仮にA群とB群とする)に分け、A群はアラート機能付きCGMを、B群はアラート機能なしのCGMを4週間装着。8週間の休み(ウオッシュアウト期間)を経て、今度はA群がアラート機能なし、B群がアラート機能付きを4週間装着した。