慶応幼稚舎の教育を国内最高峰と勘違いする生徒たち
そうした中で「幼稚舎のプリンス」という敬称をつけられているのがファーストリテイリング(ユニクロ)、ロッテリア、ローソンなどでトップを歴任したプロ経営者・玉塚元一(現デジタルハーツホールディングス社長)だ。慶応大4年の時にはキャプテンを務め、大学選手権準優勝。決勝では平尾誠二を擁する同志社大に惜敗した。
「ラグビー選手としてのたくましさを持ちながらも、どこか育ちの良さがにじみ出ている。そうしたところがビジネスの世界に飛び込んでからも、持てはやされているのでしょう」
こう話す幼稚舎時代の同級生は、玉塚を「幼稚舎出身らしいエグゼクティブ要素をすべて持ち合わせた人物」と評する。もともと、証券会社の創業家に生まれた御曹司だが、子どもの頃に会社は消滅。その品格は家柄よりも、幼稚舎で培われたものだ。
幼稚舎教育が目指すのは、世界に通用する国際人を育て上げること。そのために、145年前に同校が創立されるとすぐに、英語の授業を取り入れている。しかも、1年生の時から英語に親しむカリキュラムが組まれているのだ。