麻布、開成、武蔵も…学習塾に支配される名門進学校の厳しい現実
■長いものに巻かれようとしなかった武蔵
かつて東大合格者数トップ10の常連だった武蔵だが、99年の7位(64人)を最後に、以降はずっとランク外。ここ5年を見てみても、2017年32人、18年27人、19年22人、20年21人、21年28人と、昔の栄光時代を知る者にとっては物足りない結果が続いている。
閉塞する状況を打破すべく、19年4月に校長として招聘したのが埼玉県立浦和高校で13年4月から18年3月まで校長を務めた杉山剛士氏だった。浦和高校時代は同校出身の佐藤優氏(作家、元外交官)と対談するなど、積極的に学校のアピールに努めた。
「杉山さんは武蔵OBですが、とてもフレキシブルな考えの持ち主。武蔵の校長に就いてからは、SAPIX小学部が協賛するフォーラムで講演するなど、学習塾とのつきあいもいとわない。こうした効果が現れるのは数年後でしょうが、必ずいい結果に結びつくと信じています」(学校法人関係者)
ますます存在感を増す学習塾。どこか本末転倒のような気がしてならない。