サッとなでるだけで服のホコリを取る「エチケットブラシ」の仕組みは誰が思いついた?
10月27日は「エチケットブラシの日」。日本シールによる「エチケット」の商標登録日(1960年)にちなむ。
サッとなでるだけで服のほこりを取るあのブラシ。ヘッド部分をカチッと回転させて手のひらで払うと、取り除いたゴミやほこりを回収できる優れもの。累計7000万本を売り上げるヒット商品だ。あの仕組みをどうやって思いついたのか?
「エチケットブラシの製品化は1959年。その開発はまったくの偶然から始まりました。工場で生産中のモケット(パイル織物)を最終検査していた検査員が、スキーシール(ゴワゴワの繊維)の切れ端でモケットをこすると糸くずなどがきれいに取れることに気づき、これはと社内で検討し実用新案に登録して発売しました。当時は、はけブラシのように、洋服に付着したホコリや髪の毛、フケなどを払い落とすのが主流でしたが、エチケットブラシの毛を寝かせた生地が、洋服に付いた抜け毛やほこりを『かき出して取る』ことで抜群の威力を発揮。ヒット商品となりました」(日本シール広報担当者)
1973年にはエチケットブラシの生地2枚を逆向きに貼り合わせて作った掃除機ヘッド「ミラクリーナー」を販売。大手家電メーカーから掃除機の吸い込み口のブラシに採用され、今ではエアコンや空気清浄機のフィルター、工場設備のクリーニング材にも活用されている。ちなみに、日本シールは1922(大正11)年に大阪市で創業。シールは貼るシールではなく、「あざらし」(seal)の毛皮のように光沢ある繊維を作るという意味が込められている。