(1)親子経営の会社が倒産…借金に追われ家も失い、残ったのは「運転免許」だけだった
だが、バブル崩壊で悪夢のような日々がはじまる。私は株式投資の仕組みなどまったく知らなかったが、いまにして思えば、父は少ない現金でも大きな取引が可能な信用取引に手を染めていたようだ。その信用取引に失敗したらしい。
その影響は本業のほうにも飛び火し、取引先への支払いもできなくなってしまった。ついに会社は倒産、家族が住んでいた家も失うことになってしまった。シャッターを閉めた会社には、売掛金のあった取引先からはひっきりなしに電話が入るようになった。
その頃、私はすでに結婚し、一人っ子の長男は独立していたが、この騒動の影響が妻にまで及ぶことを恐れた私は、妻に形式的にでもいいから離婚してくれるよう申し出た。さらに法律的に私は債務者ではなかったが、もう耐えられないと「夜逃げ」を決断したのだった。
当時、私は50歳。手に職があるわけでもない、特別な才能もない、会社勤めの経験もない。あるのは運転免許だけ。手っ取り早く稼げる仕事はタクシードライバーしかなかったのである。
■関連記事
-
森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記 雅子さんが訴訟に初めて勝った!大阪高裁が森友文書「不開示」判決を取り消し、法廷の拍手鳴りやまず
-
もぎたて海外仰天ニュース 拳銃で自ら命を絶とうとした瞬間、愛犬に顔をなめられて…我に返った米消防士の「告白」に広がる共感の輪
-
今、こんな「昭和の街」が大ブーム 「にこみ 鈴や」京都の姉小路通り、レトロな玄関灯に照らされた民家で近江牛のモツや伝助穴子を堪能
-
買うならどっち? 独自目線でジャッジ 節約にもつながるPB商品、芋けんぴの硬さや甘さは? ローソンPBとイオンPBを食べ比べ
-
もぎたて海外仰天ニュース たった330円のチップがあれよあれよと613万円に! 米で失意の配達員を救った警官の粋な計らい