【能登半島地震 現地ルポ】「私たちも被災者」被災地で働く人々の過酷な現状
夜9時過ぎ、石川県輪島市内の大型ホームセンターの駐車場。この晩は深々と雪が降り積もり、気温は氷点下だ。50代の男性に話しかけると「夕飯はカップラーメンを食べて、これから車中泊するところです」と疲れ切った表情で語り始めた。
彼は市内の電力復旧作業を担当する北陸電力の職員。避難所や医療施設を優先に電源車で配電作業をしているという。県外から大型バンで被災地に駆けつけ、社員ほか4人と車中泊をして2日目だった。
「北陸各県から現地に人員を送り続けて、われわれが第8次隊。ガレキをどかして電線をしっかり配備してからでないと漏電の危険性があるので、各家庭への送電には、まだ時間がかかります」
翌朝9時にはすでに車の姿がなかった。
復興作業を担うのは県外からの応援隊だけではない。県中心地の金沢市から、北に80キロほどに位置する七尾市中島町では土砂崩れが発生し、県内の建設会社が復旧作業を行う。現場の50代男性作業員の顔からは疲労がにじみ出ていた。
■避難所と現場の往復生活