ラブホから「体験」労働の誘い…清掃時に床に落ちたコンドームは素手でつかんだゴミ袋に
革靴をサンダルに履き替えて仕事が始まった。40代くらいのベテランの牟田さん(仮名、女性)とトイレ掃除担当の三田さん(仮名、男性)に私を含めた3人で客室を回る。まずは枕と掛け布団のカバー、マットの敷布をはがす。作業の中で、掛け布団のカバーを包布と呼ぶことを知った。
シャンプーやカミソリは客が残した未使用のものはそのまま使い、使用済みは廃棄して新品に取り換える。歯ブラシ、ヘアブラシ、髪留めなど10品近く、並べ方も決まっている。それも覚えなければならない。
あれっと思ったのが、洗面台のプラスチック製のコップだ。使用済みのものを水道水で軽くゆすぎ、タオルで拭くのだが、そのタオルは客が置いていったもの。つまり使用済みタオルで拭くわけだ。よく「ラブホのコップは不潔」という声を聞くが、都市伝説ではなく、事実だったのである。
他の部屋ではテーブルの上に弁当やつまみの食べ残し、缶チューハイなどが散乱。床の上に散らかっている。ラブホに来ると人間は開放的になるのか、遠慮なく汚していくようだ。
床の上に何やらピンク色のものが見えたので近寄るとコンドームが。素手でつかんでゴミ袋に入れる際によく見ると、コンドームの中身は空っぽ。未使用だ。いったんはペニスにはめたが、射精しなかったのかもしれない。勃起不全だったのだろうか……。想像をめぐらしながら作業を続け、4時間働いたところで山田氏に呼ばれた。