自由が丘の焼き鳥「かとりや」で蘇る…赤坂ナンバーワン嬢との苦い記憶
下心満載だったのに…
その間、アタシの後ろから2階に上がっていく予約客が絶えない。そっちは比較的若いサラリーマンと年配の上司といった感じのグループが多い。普段はセンベロで賑やかに飲んでいる連中だろう。たまにはこんな店で酒を飲むのも社会勉強ってことで上司に連れて来られた様子。厨房もカウンターも無駄口を利かずにてきぱきと仕事をこなしている。その動きを見るだけでもいい経験だ。気持ちよくなったところで周りを見ればカウンター待ちの客が数人。そろそろ腰を上げよう。
金田を出てすぐ目に入ってくるのは焼き鳥の「かとりや」(同上)だ。自由が丘に来て、かとりやをスルーするわけにはいかない。30年ほど前、赤坂のナンバーワンホステスと来た店。自由が丘に住む彼女が一度は行ってみたいということでアタシがエスコート。同伴ではなく休日のおデート。下心満載で付き合ったものの、彼女はベラボーに酒が強く、かとりやの後、例の自由が丘デパートのスナックに連れて行かれアタシだけ沈没。気が付いたらカウンターに一人残されていた。苦い思い出を肴にチューハイ(450円)と煮込み(430円)で締めることにしよう。
(藤井優)
○金田 目黒区自由が丘1-11-4
○かとりや 目黒区自由が丘1-12-9