森友事件で停職処分の財務官僚が国会初答弁…「改ざん官僚」はそれでも謝らなかった
異様さ際立つ「お詫び」なし
なんだ、さっきの理財局次長とほとんど同じじゃないか、と思われるだろう。だが重要な違いが1カ所ある。それは……、理財局次長の答弁ではご遺族に「お詫び」しているが、中村氏の言葉にはお詫びがない。ただお悔やみを述べただけだ。財務省としては謝っているのに、当事者である中村氏は謝らない。その奇怪さが際立つ。
これに対し宮本議員は赤木俊夫さんの「手記」の一部を読み上げた。そこでは刑事罰を受けるべき者として佐川氏らと並び中村氏の名前をあげた上で「家族(もっとも大切な家内)を泣かせ、彼女の人生を破壊させたのは、本省理財局です」と綴っている。宮本議員は「あなた、これを読んだんですか? 読んでも何とも思わないんですか?」と問いかけた。だが中村氏は先ほどと同じ答弁を繰り返しただけだった。再び「お詫び」はなしで。
中村氏の改ざん事件初答弁はこうして終わった。「改ざん官僚は謝らない」という異様さが確認できたと言える。また彼らが赤木俊夫さんについて「高い倫理観と志」を持っていたと語る姿は、「高い倫理観と志」を持っていなければ不正に手を染め出世もできると言っているようにも聞こえる。
このやり取りは衆議院がインターネット上で公開しているから、リンクから見ることができる。
もう一つ、この日の委員会で明らかになったことがある。情報公開・個人情報保護審査会の答申を受けて、その内容と異なる結論を官庁が出したケースは、過去22年間で1万5070件中24件しかない。つまり99.8%は答申通りの結果だ。それでも財務省は赤木雅子さんの情報開示請求を拒絶するのか? その判断は原則として60日間以内に示される。