不公平にも程がある! 75歳以上「月750円」負担の非情、問題だらけの子育て支援金
保険料の上げ幅は過去最大
ただでさえ、高齢者の負担増は深刻だ。2年に1度、都道府県ごとに改定が行われる後期高齢者医療制度の保険料は今年度、全国平均7000円を突破。前年度に比べ507円もアップし、伸び率は2008年の制度開始以降、最大となった。年収400万円の高齢者は、保険料が年間で1万4000円も高くなる。
いくら現役世代の負担軽減や支援のためとはいえ、こうも負担増が続いては、高齢者の家計は逼迫するばかりだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏がこう言う。
「岸田首相は『賃上げと歳出改革によって実質的な負担は生じない』と強弁していますが、そもそも、年金暮らしの高齢者にとって賃上げは関係ないし、むしろ年金は目減りする一方です。社会保険料のような取りやすいところから取るのではなく、真正面から『子育て世代のために増税します』とお願いするのがスジなのに、口を開けばごまかしばかり。どういう費用対効果が見込まれるのかすら示せていない。あらゆる面でチグハグです」
高齢者により重い負担を課すあたり、「姥捨て」よりもタチが悪い。不公平にも程がある。