音楽と桑田佳祐…サザンオールスターズの名付け親で同級生のカフェオーナーが語る
ちなみに野球部で僕はライト。桑田は投手でした
さて、小3でのビートルズとの出会いは、同級生の大物ミュージシャンにつながる。
「好きな音楽をじっくり聴くにはレコードを買うしかなかった。でも、月の小遣いが200円では、330円のシングル盤を買うのも難しい。中学生になっても状況は同じで、当時の同級生だった桑田佳祐の出番です。中学で同じ野球部だった桑田の自宅に行くと、4つ年上のお姉さん(えり子さん=2008年に56歳で死去)がビートルズのLPレコードを収集し、ズラッと並べていたのです。何度も聴きに行きました。ちなみに野球部で僕はライト。桑田は投手でした」
茅ケ崎市の生家は、木造でレコードの重みに耐えられずに「歪んでドアが開かなくなった」。
25年前、市内で基礎部分が堅牢な鉄筋コンクリート家屋を購入。分厚い棚を特別注文でしつらえ、壁一面にレコードを並べた。
「レコードは、部屋の片隅で『いつの日か、また聴いてくれる日がやってくる』とじっと待っています。ターンテーブルの上で溝を削られながらクルクルと回転し、けなげに音を出している姿を眺めていると本当に心が安らいでくるのです」
最後に、都市伝説となっているサザンオールスターズの名付け親って本当ですか?
「早大時代に茅ケ崎でロックコンサートを開催すると、青学の軽音楽部だった桑田も参加。桑田のバンドはメンバーもバンド名もコロコロ変わっていて、コンサート前日になっても桑田からバンド名の連絡がなかった。運営側として焦っていたら、ラジオから米国のラテングループのファニア・オール・スターズの話題が流れ、好きだったニール・ヤングの『サザン・マン』を聴いた瞬間、サザンオールスターズというバンド名が浮かび、その場しのぎで桑田のバンド名として登録しました。後になって桑田が変えると思っていたのですが……」
本当の名付け親だ。
(住)神奈川県茅ケ崎市富士見町1-2
(℡)0467-85-3818
(営)金~火曜 13~18時
定休/水・木曜