訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由
■50人程度を見込むも申し込みゼロ
県はのべ50人程度の利用を見込み、サウジアラビアからなど60件ほど問い合わせがあったそうだが、申し込みはゼロ。プランを見直しツアー料金を400万円から290万円まで下げ、販売期間を昨年12月末から今年1月末まで延長したものの成約には至らなかった。
県はコロナ禍で落ち込んだ訪日客の回復を図るため、観光庁が地方自治体や事業者向けに実施した「観光再始動事業」に応募し、採択された。事業費は全額国庫負担で県は1500万円を計上し、JTBを通じて販売。栃木県がこれほど高額のツアーを企画したのははじめてのこと。全国でも珍しいという。
「高すぎるといった批判はありませんでした。国内の一般層に向けて企画したものではなく、ヘリコプターの使用料など単純に積算したら400万円になった。販売延長にあたり、紅葉の時期ではなくなったのでヘリコプターのランクを落としたり、ディナーをランチに変更したら290万円に値下がりしました。金額的には間違っていなかったと思っていますし、県がツアーで利益を上げるわけではありません。県としては訪日客に紅葉を見てもらいたかったのですが……」(県観光交流課担当者)