大塚「ときわ食堂」でビル・エバンスが流れる中、サーモン照り焼き定食でひとり飲み
大塚(豊島区)②
先日、高校の友人たちと集まることになり、アタシがこんなコラムを書いている関係で店はおまえに任せた、ということになった。
彼らは定年を迎え、雇用延長やら、バイトやらでフトコロ不如意だが、時間だけは自由になる。ならばということで午後4時にスタートしたのはいいとして、7時過ぎにはあくびをかみ殺している者が出る始末。還暦過ぎるとオッサンたちは早寝早起きになるのです。
聞くところによると人口の30%近くが60歳以上とか。すべてがそうとは限らないが、還暦酒飲み男たちが求めているスタイルはおおむね早飲み早じまいだろう。そんなマーケットニーズとコロナ禍の影響もあり、早い時間から開店する酒場が増えたのも事実だ。
が、若い人たちのようにハッピーアワー飲み放題みたいなことには興味がない。ゆったり、そこそこうまいものを食って気持ち良くなれればそれでいいのだ。
そんな希望にもってこいなのが酒場食堂。あくまで食堂中心だが、酒も飲めるしツマミもある。しかも昼前から夜まで通し営業しているところが少なくない。今回はそんな酒場食堂でも出色の存在である「ときわ食堂 大塚店」をのぞいてみた。
創業50年を迎えた地蔵通りの本店は昔から通し営業。終日とげぬき地蔵の参拝客でにぎわっている。アタシは本店を敬遠し大塚店へ。午後2時前だが、28席あるテーブル席は8割ほど埋まっている。アタシは一番奥の2人席へ。