“富士山隠し”の幕をコンビニが撤去していた…インバウンド急増の複雑心境を地元飲食店が吐露
物議を醸した山梨県富士河口湖町の観光公害対策に続報だ。今年5月、富士山を重ねた写真を撮ろうと訪日客が集まったコンビニの前に設置した幕を覚えているだろうか。実は台風接近による破損などを避けるため、今月15日に取り外していたのだ。
もともとは何の変哲もない場所だったが、「富士山とコンビニ」という“ネオジャパネスク”な組み合わせが外国人に大ウケ。SNSを通じてインバウンドの人気スポットに。訪日客が殺到したが、私有地の立ち入りやゴミの散乱、道路の危険な横断などが頻発し、写真を撮れないように雄大な富士を幕で隠したのだ。
直後にはレンズをのぞかせる穴を開けられたが、より丈夫な素材に変えた効果もあり、訪日客は徐々に減少。撤去後もトラブルがなければ、幕の再設置は考えていないという。
この騒動を巡っては、自治体の葛藤がうかがえる。
「本来であれば、多くの観光客に来ていただくことはありがたい話。我々も幕を付けたいと思ってやっているわけではありません。一度様子を見て、対処していきたいと思います」(富士河口湖町・都市整備課)