ワクチン接種後の腫れはステロイドで改善できるが…どの部分に注射したか獣医師に確認を

公開日: 更新日:

■まれに悪性と診断されることも

 ワクチンによる局所腫瘤は、ほとんどが良性ですが、まれに悪性と診断されることがあります。その場合、ワクチン接種による副反応としてメーカーと接種した動物病院が連携して治療することで、治療費はメーカーが補償します。治療費負担の点からも、その時点では当院で治療を続けることは、飼い主さんに不要な治療費を求めることになるので、よくありませんでした。

 その飼い主さんは元の病院に戻り、治療を受けましたが、その手順にも不信感が募り、治療後は当院を再受診されたのです。その元の病院は当初、ワクチンの副反応を疑わず、若年性の腫瘍として治療を進めたものの、うまくいかず腫れがさらに増大。そこで治療を切り替え、ステロイド剤の注射で改善したといいます。

 ワクチン接種後の腫瘤が良性なら、アレルギー反応ですから、それを抑えるステロイドで治るのです。元の病院がこの段階でステロイドを使用したのは、ようやくワクチンが原因とする可能性を疑ったと思われます。ひどい流れですが、悪性への変化がなくていまは何よりですが、元の病院では費用を請求されたようですから、ひどい対応といえます。

 もし治療や処置を見せない病院でワクチンを接種して、その部位が腫れてきたら、担当医にどこにワクチンを接種したかを確認した上で対応してもらうことが大切です。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も