ワクチン接種後の腫れはステロイドで改善できるが…どの部分に注射したか獣医師に確認を
コロナ禍で普及したワクチンは感染症予防にとても重要ですが、接種すると、その部位が赤く腫れることがあります。動物の場合、ヒトより注意が必要ですから、今回はその点についてお話しします。
「右脚のつけ根の外側にしこりができて、触ると痛がるんです」
そういって飼い主さんが生後4カ月のネコちゃんの診察に来られました。ペットショップで購入して自宅に連れてきて1カ月。しこりに気づいたのは10日前だそうです。確認すると、脚のつけ根というよりお尻に近い。子猫でこの部位にしこりができることは通常、ありません。
それで気になったのがワクチンです。話を聞くと案の定、10日ほど前に他院で接種されていました。そうなると、ワクチン接種後の局所腫瘤の可能性が高い。
飼い主さんに注射しているところを見たかうかがうと、見ていなかったので、元の獣医師にお尻にワクチンを接種したか確認してもらうと、私の推測通りでした。
最近、企業が運営する動物病院では、治療や処置の際にペットを処置室に連れて行き、治療の現場を飼い主さんに見せずに済ますことがあります。それで、副作用や後遺症がゴマカされることは少なくありません。