飼い主を悩ませるかかりつけ医と専門病院の連携の悪さ…転院するときは報告を
ヒトも動物も年を取ると、病気やケガをしやすくなります。大病も珍しくなく、大がかりな手術となると、手術を行う総合病院とふだんの診療を担うクリニックとの綿密な連携が不可欠です。それはヒトも動物も変わりません。今回は、それに関連するお話を紹介します。
あるシニアのワンちゃんは、加齢による心臓疾患で薬を処方していましたが、飼い主さんが引っ越すことに。同じ都内でも、とても当院に通院できる距離ではなく、これまでの病状や治療状況、服薬情報などを添えて引っ越し先の近くの動物病院に転院されました。その飼い主さんがずいぶん時間がたって3回、相談に来られたのです。
話を聞くと、転院先の勧めですぐに心臓疾患の専門病院を紹介されて手術を実施。その結果、心臓の状態が改善し、私が処方していた薬ではなく、術後のケアを目的とする処方に変わったそうです。最初の相談はその薬についてでした。
飼い主さんとしては、手術が成功すれば薬は不要になると思ったようですが、そんなことはありません。術後に薬の種類を変えて処方されることはよくあります。1回目の相談時は、その薬についての説明が不十分だったようで、そこを説明して終了しました。