話をするとネガティブに感じられる人、そうでない人…「脳の使い方」の圧倒的な違い
人への「ムラ」をなくしたい
私たちの脳にはポジティブとネガティブ、2つの感情システムが備わっています。1970年代の研究で、これらは脳の左右で別々に働いていることが判明しました。左脳が活性化すると前向きな気持ちになり、右脳が活性化すると物事を否定的に捉えやすくなるのです。
この仕組みは、人と人との関わりにも大きな影響を与えています。誰かと会話をするだけで元気をもらえる人もいれば、話をしているうちに疲れてしまう人もいるのはなぜでしょうか?
行動科学的な視点から、人間関係における「トゲ」をなくして他者と生きる術に迫った『あいては人か 話が通じないときワニかもしれません』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けします。
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あなたのまわりに、口を開けば、その場の雰囲気を台無しにしてしまう人はいないだろうか? 逆に、ちょっとした言葉を口にするだけで、重苦しい雰囲気をぱっと明るくする人は?
この違いは何から生まれるのか。こうした人たちはどんな行動をとり、どんな言葉を口にしているのか。また、その場の雰囲気をぶち壊すのではなく、明るく楽しい雰囲気にするテクニックを身につけることはできるのか。
他者と気分よくコミュニケーションするには、何より脳のメカニズムを理解しなければならない。何が、脳に立ちこめた分厚い雨雲を吹き飛ばし、お日さまを輝かせてくれるのだろう?
◼️「エネルギー泥棒」にならないために
あなたのまわりには、こちらのエネルギーを吸い取ってしまうような、とてもネガティブな人はいないだろうか? いうなれば、「エネルギー泥棒」だ。
その人が立ち去ったとたん、こちらはエネルギーが底を突いたように、ぐったりしてしまう。なくなったエネルギーが補充されるまで、しばらくかかるだろう。いつもの自分に戻るには、リカバリータイムが必要だ。
反対に、活気にあふれ、こちらまで晴れやかな気分にしてくれる人はいないだろうか? その人はまわりにエネルギーをたっぷり放ち、近くにいる人はそれを取り込む。
その人の伝染力は絶大だ。その人と会えば、こちらまで心がうきうきして活力が湧いてくる。あたかもエネルギーが満タンになったように元気が出て、足取りまで軽くなる。
私たちは互いに、驚くほど影響し合っている。内なる太陽とともに歩きまわっているような人に会えば、こちらまでその光に照らされているような気分になる。逆に、いつも雨雲の下にいて、土砂降りの雨のなかから世の中を見ているような人に会えば、こちらまでずぶ濡ぬれの気分になってしまう。
こうした心の空模様は、それが自分のものでも、他者からさらされる場合でも、活力のレベルに大きく影響する。また仕事にも、気分にも、そしてもちろん自分がまわりの人に何を伝染させるかにも影響する。その影響は、職場全体の効率や生産性にもおよぶ。
いったい何が起きているのだろう。また、なぜ、そうなるのだろうか。