恨みを感じた人、出来事、自分…「ゆるせない」を「ゆるす」と見えること【後編】
亡くなった人たちをゆるす
誰しも「ゆるせない」人がいる、「ゆるせない」出来事がある。その「ゆるせない」は自分に向けられたことかもしれない。
スタンフォード大学医学部卒の精神医学者ジェラルド・G・ジャンポルスキー(2020年没)は「人をゆるすことはあらゆる問題の解決策で、あらゆる苦しみの処方箋だ」と言います。「ゆるせない人のリストの作り方」を紹介した前編に続いて、後編は「ゆるすとどうなるのか?」を、著書『新版 ゆるすということ』より一部抜粋してお届けします。
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身近な人や愛する人が亡くなると、さまざまな感情が洪水のように押し寄せてくるものです。ある人の肉体が失われたとき、あなたははてしない悲しみを感じるかもしれません。失ったという事実を認めたくないあまり、何か月も何年も、涙をこらえるかもしれません。
愛する人が長く苦しい闘病生活ののちに亡くなった場合、家族や友人はほっと安堵することがあります。すると、外面的なことに気を取られている自分の中のエゴはさっそく、
「なんて悪いやつなんだ。〝いい人〟なら、人が死んだとき、ほっとしたりしない」と言います。