ペットフードにも値上げの波が…多様化する療養食“シンプル・イズ・ベター”な選び方
■「サンプルありますか?」
「かかりつけの病院でXという療養食を勧められたのですが、そこにはサンプルがなく、ひょっとしたらサンプルがあるかもしれないと教えてもらい連絡しました」
こんな問い合わせを受けるようになりました。実は卸売会社は、フードを仕入れた動物病院にしかサンプルを提供しておらず、卸売会社と契約してもリストから選択するだけの動物病院はサンプルがないのです。
結論からいうと、当院は在庫を保管しているのでサンプルもありますが、多くの種類には対応していません。当院が用意するのは、「成猫・成犬用」「ダイエット用(低カロリー)」「シニア用(低たんぱく・低ミネラル)」の3つのみ。症状からどれに近いかを選択し、補足が必要なら薬で補っていただきます。長くつき合いのある卸売会社が直売する銘柄で、中間マージンがなく、他社より小売価格も安い上、注文から入荷までの時間も早い。
シニア用のウエットフードについては、ワンちゃんもネコちゃん用で統一しています。ワンちゃんの循環器疾患は小型犬が圧倒的に多く、サイズや用途もネコちゃんに非常に近く、問題はありません。違いは、チキン味とフィッシュ味の風味だけです。「ウチの子、ワンちゃんですが、大丈夫ですか」と不信感を持つ飼い主さんは、当院にはいません。
シンプルイズベター。療養食の選択にもこれが当てはまり、そうすると飼い主さんも動物病院もウィンウィンになると思います。
(カーター動物病院・片岡重明院長)