パソナグループ(上)竹中平蔵会長は“政商”と呼ばれ続けたが、岸田政権で出番減か?
総裁選で「新自由主義的政策を転換する」と大見えを切った岸田首相だったが、「どこが新自由主義との決別なのか」ということになった。岸田氏の優柔不断ぶりが、またまた出た、といわれた。
実現会議の初会合で、竹中氏は持論である5Gやスーパーシティの推進による地域活性化に熱弁を振るったという。
だが、岸田首相はしたたかだった。
政府は4月、デジタル技術で未来の都市づくりを実現する「スーパーシティ型国家戦略特区」に関して、つくば市(茨城県)と大阪市(大阪府)の認定を閣議決定した。会津若松市(福島県)が最有力候補と取り沙汰されたが、落選した。
スーパーシティ特区は竹中氏が主導して創設したものだが、岸田内閣になり規制改革に対する優先度が急激に低下。スーパーシティ特区の熱気も一気に冷めた。
国家戦略特区も終焉を迎えることになりそうで、竹中氏が最も得意とする利権誘導が封じ込められたとするなら、もはや同氏の出番はない。